子供の歯ぎしりの原因とは?自宅でできる対策について
監修:歯科医師 金丸智士
いつからか子供が歯ぎしりをしている…と、心配になったことはありませんか?
歯ぎしりが引き起こす体への影響を不安に感じられる方もいらっしゃるでしょう。今回は、お子様の歯ぎしりの原因や自宅でできるケアをご紹介いたします。
【目次】
1.子供が歯ぎしりをする原因とは?
2.子供の歯ぎしりは身体への影響も
3.ご自宅でできる対策
3-1食事の見直し
3-2普段の姿勢
3-3生活環境
4.歯ぎしりのご相談もお気軽に
子供が歯ぎしりをする原因とは?
・むず痒さ
歯が生える際には、時々むずがゆさを感じることがあります。その時、無意識に歯ぎしりをして歯をこすり合わせることで、このむずがゆさを解消しようとすることがあります。
・永久歯のスペースを作る
乳歯が生えてくる際、お子様は歯ぎしりをすることで顎の位置を決めていると言われています。この行動は成長過程で重要な役割を果たしています。また、乳歯が生える時期の歯ぎしりは、将来的により大きな永久歯が生えるためのスペースを作る目的も果たしているとされています。
・睡眠不足
お子様の睡眠時間は、年齢が低いほど長く、通常11〜14時間程度必要とされています。成長に伴い睡眠時間は短くなります。寝る時にスマートフォンを見たり、部屋の明るさが適切でなかったりすることで、睡眠の質が低下して浅い眠りになることがあります。このような状況は、子どもたちの歯ぎしりの原因となることがあると言われています。
・心理的ストレス
お子様も大人と同様にストレスを感じることがあります。入学や引越しなどの生活環境の変化、友人関係の問題、また、様々なプレッシャーによって引き起こされるストレスは、歯ぎしりの原因のひとつとされています。
子供の歯ぎしりは身体への影響も
歯ぎしりをすると歯に大きな力がかかるため、歯がすり減ったり欠けたりすることがあります。歯がすり減ると、将来的に歯並びや噛み合わせに影響を及ぼす可能性があります。特に、6歳を過ぎても歯ぎしりが続いている場合は注意が必要です。このような力が顎にかかると、顎関節症を引き起こします。
ご自宅でできる対策
食事の見直し
現代の食事は柔らかいものが多く、しっかりと咀嚼する機会が減少しています。ごぼう、にんじん、レンコンなど噛みごたえのある食材を食事に取り入れることは、顎の健康な成長に役立つとされています。噛む回数が少ない食生活は、歯ぎしりを引き起こしやすいとも言われており、子供たちの食事にも注意を払うことが重要です。
普段の姿勢
姿勢が悪い場合も歯ぎしりをしやすくなるので注意が必要です。
頬杖をつくことをやめたり、普段から良い姿勢を心がけたりすることで、首にかかる負担を減らしてあげることが大切です。
生活環境
お子様が感じるストレスは、日常生活の中での些細なことから生じる場合が多いです。例えば、爪を噛む、おねしょをする、不登校になる、体調が変わるなど、これらはすべてストレスのサインかもしれません。日々の生活の中で、お子様の行動や様子に変化がないか注意深く観察し、気を配ることが大切です。
歯ぎしりのご相談もお気軽に
歯ぎしりは、ほとんどの場合が成長過程の中で行っているものなので問題ありません。しかし、永久歯が生えても続いているようであれば、歯や顎へ負担がかかってしまうことがあるため注意が必要です。
お子様の歯ぎしりを気にされている親御さんは多くいらっしゃいます。どんな些細にことでも構いません。お気軽にご相談ください。