奥歯の差し歯の治療はどんな方法?被せ物の種類を比較
監修:歯科医師 金丸智士

「差し歯」という治療でどのようなことをするのかご存知ですか?
奥歯は、私たちの日常生活において、特に食事をする上で欠かせない歯です。これから奥歯の差し歯の治療を検討されている方にとって、どのような治療が行われ、何を被せるのかを知ることは大切です。今回は、そんな奥歯の差し歯の治療についてお伝えしていきます。
【目次】
1.差し歯ってなに?
1-1差し歯の治療とは
1-2差し歯にするメリット・デメリット
2.なぜ「差し歯」というのか
3.奥歯の差し歯の種類
3-1FCK
3-2オールセラミック
4.奥歯の差し歯は見た目も考慮してセラミックを選択
差し歯ってなに?
歯は、主に根っこ(歯根)と頭(歯冠)という二つの部分に分けられます。差し歯とは、虫歯や外傷などで歯冠の多くが失われた場合に、残された歯根を利用して歯冠を修復する治療方法です。具体的には、失われた歯冠を補うために土台を作り、その上に新しい被せ物をします。
インプラントと勘違いされる方もいますが、インプラントは、歯根がなくなった場合に人工の歯根を埋め込む治療方法です。差し歯の治療はご自身の歯根を活用するため、歯根の有無が二つの治療の大きな違いと言えます。
差し歯の治療とは
虫歯や外傷などで大きく失われた歯冠の形を整え、土台で補強し、人工的な被せ物を作成します。被せ物は、歯型を採ってその方に合ったものを精密に作るため、2〜3回ほど治療回数がかかります。
また、歯冠部分の状態によっては神経を取り除かなければならない場合もあります。その場合の治療回数は、7〜8回ほど必要です。
それぞれのお口の中の状況によって治療方法が変わるため、正確な診断を行うためにはレントゲン撮影が不可欠です。
差し歯にするメリット・デメリット
差し歯のメリットは、ご自身の歯を抜かずに、大きく失った歯冠部分を被せ物で修復することができる点です。
材質によっては、もともとの歯と変わらないほど見た目の改善も可能です。
デメリットとしては、被せ物をするためには歯を大きく削らなければいけないことが挙げられます。
場合によっては神経を抜く必要があり、歯の寿命を縮めてしまう可能性も考えなくてはいけません。
なぜ「差し歯」というのか
被せ物や銀歯などと言われることもありますが、なぜ「差し歯」と言われるのでしょうか?
昔の被せ物は、土台と被せ物が一体型でできていました。その状態で歯の根っこに「差して」いたのが、「差し歯」と呼ばれている由来だとされています。
今の差し歯は、被せ物と土台は別々に作られることが一般的です。
奥歯の差し歯の種類
奥歯の差し歯治療では、「保険診療」と「自費診療」のどちらかを選択する必要があります。
自費診療は、医院によって取り扱っている種類が異なります。治療前にカウンセリングを受け、それぞれの違いなどを理解、納得したうえで治療を受けるようにしましょう。
今回は、保険で取り扱われている代表的な「FCK」と、自費診療のうちのひとつである「セラミック」についてお伝えします。
FCK
FCK(フルキャストクラウン)は、歯冠部全体を金属で覆う被せ物のことです。「銀歯」と言った方がわかりやすいかもしれません。
保険診療の場合、奥歯はパラジウム合金を使用した銀歯を使用して治療を行います。
金属なので、強度があり奥歯でも対応することができますが、時間が経つにつれて金属が黒ずんできたり、まれにアレルギー反応を起こしたりすることがあります。
オールセラミック
セラミック(陶器)で作られた被せ物です。
強度はもちろん、金属を使わないため審美性に優れており、お口の中に入れていてもアレルギー反応が起こりにくいとされています。
セラミックは表面が滑らかなので、汚れが付きにくく虫歯や歯周病のリスクも軽減されます。
奥歯の差し歯は見た目も考慮してセラミックを選択
奥歯は大きな力がかかる歯です。日常生活においてとても重要なため、強度の面から金属を使用するケースが多いです。しかし、お口を開けた時や笑った時にその金属が見えてしまうと、審美的に気になる方もいらっしゃるでしょう。
また、保険の銀歯は強度はあるけれど、汚れがつきやすかったり黒ずんだりすることで虫歯や歯周病のリスクが高まります。これは、多くの制限がある保険診療では仕方ないことなのかもしれません。
その点、自費診療は、保険診療ではできない精度の高い治療を行なっていくことができます。
セラミックは、高い強度と審美性を兼ね備えています。
ご自身の歯を守るために、被せ物の材質にもこだわってみてはいかがでしょうか。ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。