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唾液は本当に無臭?唾液の臭いと口臭の関係について

監修:歯科医師 金丸智士


粘土で作られた吹き出しとはてなマークふたつ

唾液の匂いを意識したことはありますか?多くの方が口臭には敏感ですが、実際にその原因が唾液にあると考える方はあまりいらっしゃいません。しかし、口の中の不快な匂いに悩んでいるなら、唾液が臭っているのかもしれないことを考慮する必要があります。今回は、唾液がなぜ臭うのか、そしてその原因とケアについてお話ししていきます。

目次
1.唾液は本来「無臭」です
2.唾液の匂いが強くなる原因とは?
 2-1生理的口臭
 2-2飲食物による口臭
 2-3病的な口臭
 2-4ストレスによる口臭
3.唾液はお口の健康状態を表すバロメーター

唾液は本来「無臭」です

唾液は約99%以上が水分であり、唾液腺から分泌される唾液自体にはほとんど臭いがありません。実際に口臭を引き起こしているのは、お口の中の細菌や食べ物などです。
口内細菌が活発になると、口臭の原因となる揮発性硫化化合物が作られます。初めは無臭でサラサラしている唾液も、これらに晒されることで粘り気が出て、結果匂いを発するようになるのです。

唾液の匂いが強くなる原因とは?

生理的口臭

口臭は特定の状況下で強まることがあります。具体的には、寝起き、空腹時、あるいは緊張しているときなどです。これらの状況では唾液の分泌量が減少し、口内が乾燥して、細菌が増殖しやすくなるからです。唾液は口内を洗浄し、細菌の増殖を抑える役割を果たしています。しかしその量が不足すると、細菌は活発に増え、結果として口臭が生じやすくなるのです。

飲食物による口臭

食品の中には、口臭に多大な影響を与えるものがあります。玉ねぎやニンニク、アルコールなどを口にした時のことを想像するとわかりやすいでしょう。これらの食品に含まれる成分は、消化される過程で血液に吸収され、最終的には肺を通じて呼吸と共に体外に排出されます。この過程で発生する特有の臭いが口臭の原因となるのです。しかし、食品による口臭は一時的なもので、時間の経過と共に自然と薄れて解消されます。

病的な口臭

口臭の背後には、口腔内のさまざまな健康問題が隠れていることがあります。虫歯や歯周病、歯石の蓄積、そして入れ歯や矯正装置の不適切な清掃、さらには舌の汚れなどがその典型的な要因です。これらは、口内細菌の過剰な増殖を引き起こし、結果として口臭を悪化させることに繋がります。
また、口臭の原因は口腔内に限局したものではありません。実際には、呼吸器系や消化器系の疾患も、口臭を引き起こすことがあります。これらの病気は体内で不快な臭いを引き起こし、それが呼吸と共に口から排出されるため、口臭が悪化するのです。
したがって、口臭が長引く場合は、口腔衛生だけでなく、潜在的な健康問題も考慮する必要があります。早期発見して治療を行うためにも、放置せずに歯科医師に相談するようにしましょう。

ストレスによる口臭

ストレスを感じると、唾液の分泌が減少することがあります。唾液は口内を湿潤に保つだけでなく、食べ物の残りカスを洗い流し、細菌の増殖を抑制する役割を担っています。しかし、唾液の量が不足すると、口内が乾燥し、細菌が増殖しやすい環境が作られることによって口臭が強く感じられるようになるのです。

唾液はお口の健康状態を表すバロメーター

唾液自体は「無臭」であり、その性質は本来サラサラしています。しかし、口内の細菌やその他の要因が組み合わさることで、性質が変化したり臭いが生じたりすることがあります。唾液の臭いや口臭が普段と異なる場合は、体の何らかのトラブルを示しているかもしれません。そのため、なるべく早く唾液や口臭の変化の原因を特定し、適切に対処することが大切です。気になる症状があれば、遠慮なく歯科医師にご相談ください。

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