歯科治療での痛みは減らせる?無痛治療について
こんにちは。
小倉南区の「かなまる歯科クリニック」です。
歯科医院でも「無痛治療」ができることを知っていますか?
歯医者ぎらいな方にぜひ知っていただきたいのが「痛みを押さえた治療」や「無痛治療」と呼ばれる歯科治療です。
その名の通り、痛みを感じにくい治療のことです。
現在、患者さんへの負担を少しでも和らげるため、「無痛治療」を取り入れる医院が増えています。
歯科医院によっては、眠った状態での治療が可能な場合もあります。
ここでは、歯科における様々な「無痛治療」について、費用、治療中の様子などについてお伝えします。
無痛治療の意味と必要性について
無痛治療とは、麻酔などを利用して痛みを感じにくくする治療法です。
麻酔以外にも、痛みを感じにくいようにレーザーを使用したり、歯へのダメージを最小限にして、なるべく痛みを感じにくくするためにマイクロスコープを使用する方法もあります。
痛みを感じると不安感や恐怖心も大きくなりやすいです。
「無痛治療」では、痛みを最小限にできるため精神的な負担を減らして治療を受けていただくことができます。
麻酔を行うこと自体に恐さを感じる方もいらっしゃいますが、麻酔を行う際の痛みを軽減する方法もあります。
虫歯の治療で痛みを感じるのはなぜ?
歯の構造を少しだけ知っていただくと、痛みの出るメカニズムがわかりやすいかもしれません。
歯の表層は非常に硬いエナメル質で、この部分を削っても痛みは出にくいです。
エナメル質の下の層は少し柔らかい象牙質で、神経と繋がる小さな管(象牙細管:ぞうげさいかん)が存在します。
その内部にあるのが神経です。
象牙質に痛い・冷たい・熱い等の何かしらの刺激が加わると、象牙質にある象牙細管を通じて神経に刺激が伝わります。
そのため、虫歯が象牙質や神経にまで達し、歯を大きく削る場合は痛みが出ます。
歯の根っこの治療では、神経を取り除いてから治療を進めるので痛みはほとんどありません。
しかし、根っこの治療中でも痛みが出ることがあります。
歯を支える組織の1つである歯根膜が敏感な方、歯の根の先端にヒビがある場合は、根っこの治療中でも痛みが出やすいです。
歯科における無痛治療で使われる5つの方法
・表面麻酔
口の中の粘膜表面に麻酔薬を塗布し、表層内部に浸透することによって麻酔効果を発揮します。
スケーリング時や麻酔時の注射を行う時によく使用します。
他にも、嘔吐反射が強い方の型どりや奥歯のレントゲン写真撮影の時にも使用し、口の奥に器具が入ることでオエッとなる気持ち悪さや痛みを軽減することができます。
塗布する部位を乾燥させて、塗布後2〜3分程待ってから治療を開始します。
塗るタイプ以外にも貼るタイプのものもあり、歯茎に直接貼り付けて使用します。
・電動注射器
麻酔を行う時の痛みは、注射針をいれて薬液が一気に注入されると細胞が膨張することで痛みを感じることがあります。
電動注射器は自動的に一定速度で薬液を注入できるので、薬液を注入している間の痛みが軽減されやすいです。
また、電動注射器の注射針は細めのものが使用されることが多いので、注射針の挿入時の痛みも軽減されやすいです。
・マイクロスコープ
マイクロスコープは肉眼では確認できない部分をみることができるため精密治療が可能になります。
マイクロスコープ自体は実体顕微鏡が使用されており、最大で肉眼の25倍拡大して見ることができます。
拡大して見れると何が良いかというと、虫歯治療においては虫歯がどこまで浸食しているかはっきり見られることで歯を削る部分が最小限で済み、その分痛みも少なくて済みます。
また、根っこの治療は非常に細かい部分に器具を使用しますが、根っこの状態を確認しながら治療を進められ、神経への刺激を抑えることもできます。
歯周病治療においても、歯周ポケット中の細かい歯石を除去するためにも使用します。
マイクロスコープで撮影した動画や画像は記録して患者さんにも確認してもらうことができるため、ご自身の歯の状態を理解していただきやすいのもメリットです。
歯科用レーザー
歯科用レーザーには高いエネルギーを持ったレーザーを使用します。
そのため、治療を行う術者やそれに携わるスタッフ、治療を受ける患者、治療に関わる全ての方に目を保護するための専用のゴーグルを装着し、安全に配慮して治療を行います。
レーザーは病気がある部分にピンポイントで照射が可能で、治療部位を最小限にとどめることができます。
歯を削るときに聞こえる「キーン」という音もなく、痛みも感じにくいので患者さんへの負担も減らすことができます。
レーザーは波長によって分類されますが、歯科用レーザーは赤外線レーザーに分類されるため、発がん性もなく、妊娠されている方でも安心して使用することができます。
レーザー治療は保険適用でも行えるので、患者さんにとっても取り入れやすい治療です。
・静脈内鎮静法
ほとんどの患者様の場合、表面麻酔や電動注射器を使った麻酔により、治療中も痛みを感じることなく虫歯治療を受けていただくことができます。
しかしながら、患者様によっては、強い嘔吐反射をお持ちであったり、歯科に対して強い恐怖心を感じられる方もいらっしゃいます。
そのような場合に用いられるのが「静脈内鎮静法」という麻酔です。
これは、患者さんの意識を失わせることなく歯科治療に対する不安や恐怖による精神的緊張を軽減する方法です。
簡単に言うと、寝ている状態で治療を進めるということになります。
静脈内鎮静法で使用する薬は脳から全身に作用している状態なので、患者さんの状態をいつでも知ることができるようにモニタリング機器を装着し、確認しながら治療を行います。
先ほど挙げたような症状が心配な方や、難しい抜歯、外科手術等の際にも用いることがあります。
※禁忌症では、妊娠初期の方、急性狭偶角緑内障・重症筋無力症の方、卵アレルギー・大豆アレルギーの方が挙げられますが、使用する薬の種類によっては可能になる場合もあります。
無痛治療の金額について。保険診療で行える?
基本的に保険が適用されます。
一般的な麻酔
口の中に注射を打って行う麻酔(電動注射器も含む)は、保険適用で数百円程度の金額になります。
表面麻酔を使用する場合は、この費用に含まれるため特に費用がかかりません。
麻酔のの際の痛みにも十分に配慮し、「痛くない麻酔」を追求しています。
静脈内鎮静法
保険適用で2500~3000円くらいの金額になります。
設備と時間を要するため、医院によっては自費診療扱いにしている場合もあり、その場合は4万~7万円(治療費含まない)くらいになります。
静脈内鎮静法を行う場合、専門家(歯科麻酔医)が十分な医療体制の下で安全に行う必要があります。
静脈内鎮静法をご希望の方には、連携する大学病院等をご紹介させていただきますので、一度ご相談ください。
歯科用レーザー
歯科用レーザー治療による虫歯治療の費用は、保険適用の場合歯1本1000円~5000円くらいの金額になります。
虫歯の治療以外にも、歯茎の腫れや知覚過敏の治療にも使用されることがあります。
マイクロスコープ
マイクロスコープを使用した治療では、基本的な歯の治療に追加して費用がかかります。
費用についても自費診療で行う歯科医院がほとんどです。
その理由は、マイクロスコープ自体が高価で、拡大しながら治療するには時間がかかるからです。
肉眼による治療で30分くらいかかる治療であれば、マイクロスコープを使用すると1時間~1時間半かかることもあります。
歯科医院が負担する費用・時間を考えると保険診療では補えないのが現状です。
ただ、マイクロスコープ治療は精密性を高められるため、歯の寿命を長くするためには効果的な治療と考えられます。
そもそも歯科医院にマイクロスコープを設置していない歯科医院もあるので、気になる方は歯科医院で相談してみましょう。
マイクロスコープを使用した治療は、自費治療で1本の歯につき数千~数万円かかることがあります。
※記載している保険適用金額の目安は3割負担のケースの金額になります。
無痛治療で、歯科医院のイメージが変わるかもしれません!
子供の頃に通った歯科医院が怖かったというトラウマ、話を聞いてもらえなかった記憶、その様な経験があると歯医者に行こうとするだけで怖くなってしまいます。
かなまる歯科クリニックでは、特に「話をしっかり聴くこと」、「治療の前には歯の状態・治療計画を説明すること」、「治療中はなるべく痛みを感じさせないようにすること」を大切にしております。
しかしながら、歯の状態によっては100%痛みのない治療が難しい場合もあります。
その場合は、痛みが出る可能性があることを事前にお伝えし、対処法や投薬を行いながら、患者さんに納得していただいた上で治療を始めます。
治療中で患者さんのお口が開いている状況においても、何か気になることがあれば手を挙げていただき、治療を一度止めて患者さんの要望になるべくお応えできるようにしております。
痛みに配慮した治療なら、かなまる歯科クリニックへお気軽にご相談ください。