乳歯の生え変わりの目安は？歯が抜ける順番と年齢をチェック！
監修：歯科医師 金丸智士
大切なお子様の歯を守るために知っておきたいこと
「乳歯がなかなか抜けない」「永久歯が生えてこない」「自然に任せた方がいいの？」お子さんの今後の歯並びに影響することなので心配になりますよね。歯の生えかわりには、ある程度、時期や順序が決まっています。1つの判断基準として、お子さんの歯の生えかわりの時期や順序が年齢に沿っているかどうか確認することも重要なことです。今回は「乳歯の生えかわりの時期や順序」をお伝えします。
【目次】
1.生え変わりは6歳ころから始まります
2.生え変わりにまつわるトラブル
2-1生え変わりのトラブルの原因は？
3.乳歯の生え変わりで注意すべきポイント
生え変わりは6歳ころから始まります
6歳頃に下の前歯が生え、同じ頃に第一大臼歯が生えます。
7～9歳頃には上下の前歯、10歳～12歳頃に第一小臼歯、
犬歯、第二小臼歯の順番に生えます。
12～14歳頃に第二大臼歯が生えて永久歯の歯並びは完了します。親知らずがある場合は17～21歳頃に生えます。
個人差はありますが、歯の生えかわりは、早くて保育園・幼稚園の年長さん頃から始まり、中学校卒業頃に全て永久歯になります。
生え変わりにまつわるトラブル
①乳歯がなかなか抜けない
乳歯がグラグラしている場合は、自然に抜けるのを待ちましょう。ただ、食事や歯磨きがしづらかったり、永久歯が生えかけてきている場合は歯科医院で診てもらいましょう。場合によっては、麻酔を行い痛みのない状態で抜歯をすることもあります。
②乳歯が抜けた後、永久歯がなかなか生えない
慌てて受診する必要はありません。ほとんどの場合、様子を見る内に解決します。ただ、永久歯が体の中でうまく作られず、先天的に永久歯がない方もいらっしゃいます。もし、乳歯が抜けて半年程たっても永久歯が生えてこないようなら歯科医院を受診しましょう。
③乳歯の内側から永久歯が生えてきた
乳歯が抜ける前の早期に永久歯が生えてきた場合に起こります。乳歯がグラグラの状態なら様子見でも大丈夫です。乳歯がグラグラしてない場合は、永久歯が傾いて生えてくることがあるため、歯科医院の受診をお勧めします。場合によっては、麻酔を行い痛みのない状態で乳歯を抜歯することもあります。抜歯をすると、永久歯が唇の力と舌の力で正常な位置に戻ることが多いです。
④すきっ歯になっている
見た目が気になるかもしれませんが、歯の生えかわり後に見られる歯と歯の隙間は問題ありません。歯の生えかわり時期に隙間があるのは正常です。その隙間は永久歯が生えてくるためのスペースなのです。その後に永久歯が生えたり、顎が成長することで少しずつ隙間が閉じてきます。ただ、異常に大きな隙間がある場合は必要のない歯（過剰歯）が歯茎の中に存在していたり、筋（小帯）の位置がおかしいことがあるので歯科医院で適切な処置を受けましょう。また、永久歯が全て生え揃う12～13歳になっても隙間のある場合は、矯正が必要となることもあるので、矯正の知識がある歯科医院を受診することをお勧めします。
⑤生えかわり時期の乳歯に虫歯があるけど大丈夫？
根っこが少しずつなくなり、グラグラしていて生えかわりの時期にある乳歯は、虫歯であっても痛みがない場合、そのまま治療せず自然に抜けるのを待つことが多いです。ただ、虫歯が歯と歯の間にある場合は、隣の歯も虫歯になっていることがあるため一度歯科医院で確認してもらいましょう。
⑥乳歯が抜けた後、歯茎が盛り上がってるけど大丈夫？
歯茎が腫れたように盛り上がっているのは、下の永久歯が押して生えようとしているからです。痛みを伴うこともあります。永久歯が生えてくれば解決します。稀に、永久歯が生えた後、歯茎が残り、歯がかみ合う時に噛んでしまい、痛みが伴うことがあります。その場合は、歯科医院で歯茎を取ってもらいましょう。
生え変わりのトラブルの原因は？
「永久歯が生えてこない」「乳歯が抜けてないのに永久歯が生えている」などトラブルが発生しやすく、心配になってしまいます。これらの原因は、「乳歯と永久歯、それぞれの生え変わるタイミングのバランスがとれていない」ことがほとんどです。この場合は乳歯が抜けて半年くらいは経過を見れば解決することが多いです。半年程経っても解決しない場合は歯科医院を受診しましょう。「先天的に永久歯ができていない」「歯茎の中に過剰歯がある」「永久歯自体が横に向いている」「歯茎に厚みがある」ことで生えてこれない場合もあります。このような場合でもレントゲン写真で確認すれば早めに適切な処置を受けられます。
乳歯の生え変わりで注意すべきポイント
●生え変わりには個人差がある
永久歯の生える順序や時期は、ある程度決まってますが、生え変わりには個人差があります。乳歯が抜けた後なかなか永久歯が生えず心配になる方もいらっしゃいます。半年程、様子を見て、それでも変化がなければ歯科医院を受診しましょう。人によっては1年くらい経って永久歯が生える方もいらっしゃいます。
●乳歯が抜けず永久歯も生えてこない
生えかわりの時期を過ぎても乳歯が抜けず、永久歯も生えてこない場合は、先天的に永久歯がない場合があります。この原因ははっきりしていません。この場合、大人になっても乳歯のままなので、しっかりと歯磨きを行って乳歯を長く残せるようにしましょう（乳歯は永久歯よりも未熟なため虫歯になりやすいです）。稀に、大人になって乳歯の根っこがなくなり、抜けることもあります。その場合は、矯正やインプラントなどの治療が必要になることもあります。
●過剰歯の存在
永久歯に生えかわった後、歯と歯の間に異常に大きな隙間がある場合は、歯茎の中に過剰歯がある可能性があります。歯科医院でレントゲン写真を撮影すればすぐにわかります。過剰歯を抜けば、正常な位置に永久歯が戻ることもあります。
●生え変わりの時期ではないのに乳歯がグラグラする
虫歯を放置すると、歯の根っこまで細菌が感染し、根っこの周りの骨がなくなってくることがあります。そうすると生えかわりの時期ではないのに歯がグラグラしてくることがあります。永久歯にも影響を及ぼすことがあるので、早めに当院で歯科健診を受診されてください。